足場を組まずに工事・調査や、特別教育を行うロープアクセス専門会社の株式会社4Uです。
弊社は関東を中心とするビルやマンションの無足場工事の依頼を承っています。最近は橋梁、工場・プラント、風車など、ご依頼いただく幅は広がっております。
足場を組む際に、「非常に狭い場所などではどうしているのだろう」と考えたことはありませんか?足場を組むにはどうしても一定の広さが必要になりますよね。今回は、狭小地での足場の扱いについてお話ししていきます。
狭小地にある建物で足場を組むのは難しい
結果からお伝えすると、狭小地にある建物に対して足場を組むことは可能です。ただし、足場を組むことに際して必要な条件もありますので、確認しておきましょう。
足場の種類 | 必要な広さ |
単管足場 | 50cm |
くさび式足場 | 70cm |
脚立足場 | 50cm |
つまり、最低でも50cmはスペースが必要になります。70cm以上あれば基本的な足場を組むことができます。
狭小地での足場設置についてもう少し詳しくみていきましょう。
■隣の家の敷地を借りる
足場の設置に際して、50cm以上の広さがない場合、隣の住宅の敷地を借りて足場を組むことが可能です。このことは、民法209条第1項にも、「承諾は必要だが必要な工事であればお隣の敷地を借りることができる」と記されています。
●民法第二百九条
土地の所有者は、境界又はその付近において障壁又は建物を築造し又は修繕するため必要な範囲内で、隣地の使用を請求することができる。ただし、隣人の承諾がなければ、その住家に立ち入ることはできない。
※第二編 物権 第三章 所有権 第一節 所有権の限界 第二款 相隣関係より引用
民法ではこのようになっているので、お隣さんと関係が良好な場合は許可をいただいて侵入させてもらうこともありますが、大体の場合そこまで良好なことが少ないため、許可をもらえないことの方が多いのが現状です。
他にも、隣の屋根が壁ギリギリに来てしまっていて、足場を組めるスペースがないこともあります。
■単管足場を使う
70cmはないけれど、必要最低限の広さが確保できる場合は、「単管足場」を使うケースがあります。
単管足場は、鉄パイプを組み合わせてボルトで接合する足場で、コストパフォーマンスも良く、組み立ての際に騒音が少ないなどのメリットがあります。
ただ、現在は現場で作業をする職人の安全面から、くさび式足場が主流なため、状況によるケースが多いでしょう。
足場が組めないときはロープアクセスがおすすめ
ロープアクセスは弊社4Uが得意とする工法です。厳格な基準をクリアした産業用のロープを使用し、統一されたマニュアルで安全性を担保した工事法です。従来、ロープで屋上からぶら下がって行っていたブランコ工法と似ています。
■ロープアクセスとは?
ロープアクセス(無足場工法)とはその名の通り、仮設足場を設置せずに屋上から特殊な産業ロープで固定された作業員が吊り下がり行う工事のことです。ロープアクセスは40年ほど前から海外で使用されるようになり、日本にも導入されるようになったのはほんの20年ほど前のことです。
日本ではこれまでどうしても安全性が疑問視されてあまり大きな現場では使われてきませんでした。しかし近年では専門の工具の普及、業者の安全性に対する努力もあってそうした認識も変わりつつあり、ロープアクセスの安全性、信頼性が認められるようになってきました。
海外ではロープアクセスの安全性が完全に認知されており、ロープアクセス職人と足場職人が同数存在する国もあるほどです。海外ではロープアクセスに関してしっかりと法律による厳格な基準が設けられており、その安全基準は日本よりも厳しくなっています。
弊社では厳格な欧州の安全基準に準拠したロープアクセスを運用しています。こうした安全性に大きな配慮を払ったロープアクセスを使用するようになってから、ありがたいことに、お客様にもロープアクセスの有用性を理解していただけるようになりました。
最近ではロープアクセスが、スーパーゼネコンの現場や公共工事でも許可されるようになってきているなど、状況は大きく変わってきています。
ロープアクセスについて詳しく知りたい方は以下の記事をご覧ください。
■ブランコとの違い
ブランコ工法も同じ無足場工法で、作業をする職人がロープに吊られながら作業を行います。しかし、ブランコ工法はロープアクセス工法に比べると安全性が低いことが挙げられます。
ロープアクセス工法は厳しい安全基準を満たした産業用の工具を使用することに対して、ブランコ工法の場合、産業用ではないロープを使用するケースなどがあります。理由としては、ロープアクセスが普及する前から行われていた工法であり、レジャー系の道具や専門の道具以外を利用するケースがあるからです。
安全面を考える場合は、ロープアクセスを選びましょう。
■ロープアクセスの費用
無足場工法の中でも費用は二分されます。ゴンドラ・高所作業車は費用が高くつきやすく、ロープアクセスは低コストに収まりやすい特徴を持っています。
特に、建物を部分的に補修する際はコストメリットを発揮します。部分補修のために足場を組むのは無駄なコストが発生してしまいます。
最近では、マンションやビルの大規模修繕コストをできるだけ下げるために、数年ごとに分割的にメンテナンスを行う修繕計画も出てきました。
下記は具体的な費用の一例です。
◆塗装工事の料金目安
- 外壁塗装 2,500円〜/㎡
- 屋根塗装 3,000円〜/㎡
- 配管塗装 3,000円〜/㎡
◆シール工事の料金目安
- 目地シール(撤去打ち替え) 1,800円〜/m
- 目地シール(増し打ち) 1,000円〜/m
- 窓サッシ周り 2,000円〜/m
◆防水工事の料金目安
- ウレタン密着防水(メッシュ無し) 4,500円〜/㎡
- ウレタン密着防水(メッシュ有り) 5,500円〜/㎡
- ウレタン防水(通気緩衝) 8,000円〜/㎡
- 塩ビシート防水 10,000円/㎡
▼費用について詳しくはこちらもご覧下さい。
■ロープアクセスの魅力
無足場工法の魅力はコスト面だけではなく、そのスピード感にあります。足場を組む必要がないため、一般的な現場においての部分的な補修であれば1日で終わってしまいます。
また、タイルが剥落しそうになっている場合や漏水してしまっている場合など、一刻の猶予を争うケースにも、無足場工法(ロープアクセス)は活躍することができます。
ロープアクセスが使用できる環境にも条件があるので要注意です
狭い場所で活躍することができる便利なロープアクセスですが、どれだけ狭いところでも作業ができるわけではありません。
具体的なイメージとして、作業する建物と隣の建物の間が40㎝あれば、塗装やシール打ち替えができます。30~35cmになると塗装は不可能ですが、シール打ちはなんとかできます。その隙間で人が動かないといけないので、できることも幅によっては限られてしまいます。
狭小地での外壁塗装や防水工事や調査などは4Uにお任せください
弊社の職人はもともと足場での作業を行ってきた職人です。その職人が加えてロープアクセス技術を習得しているので、従来の現場で求められてきた作業を普通に行えます。今お付き合いしている会社には大手企業様が多いのですが、この点から大きな信用をいただけることが多いです。
ロープアクセスのデメリットとしては、お客様に直接補修箇所を見ていただけないことが挙げられますが、弊社では報告書を詳細に作ることでこの点をクリアしています。
欧州基準の高い安全性への配慮と、足場作業での経験を積んだ職人たちが弊社の高品質の工事を実現しております。
ロープアクセスに関して何かご不明な点等ございましたら、お気軽にお問い合わせください。