ロープアクセスで外壁の補修・調査を行う株式会社4Uです。
ロープアクセスをご存じない方はこちらの記事で解説してますので、興味がある方はぜひご覧ください。
この記事では、タイルの落下対策として使用する、KFタイルホールドの特徴や、従来のタイル補修との違いについて解説します。
KFタイルホールド工法とは
KFタイルホールド工法は、KFケミカル独自の樹脂合成技術によって開発されたポリウレア樹脂塗料「KFタイルホールド」を用いたタイル剥落防止工法です。
KFタイルホールド工法の塗装膜は0.2~0.3㎜と薄膜でありながら1㎡あたり3.3tの荷重に耐えられる強靭な塗膜です。
KFタイルホールドの塗膜外観は透明であり現在お住いの外壁タイルの意匠を生かします。
また、極めて耐候性に優れるため施工後も長期に亘り外観を綺麗に保ちます。
この工法は、材料・工法を熟知したKFタイルホールド資格保持者にしか施工できません。
※弊社は資格保持者が8名在籍しています。
外壁タイルは落下する
そもそもなぜタイルの補修が必要なのでしょうか?
それはタイルが落下するからです。
私のマンションは外壁タイル仕上げだから、メンテナンスなんて必要はない
そうお考えのオーナー様が多いのでは?
実は外壁タイルは劣化とともに、はがれて落下するリスクがあります。
毎年、外壁タイルの落下事故は発生し、過去に落下したタイルが人にあたり死亡事故に至ったケースもあります。
過去に発生した外壁タイルの剥離・落下による死亡事故の損害賠償について、最高裁での判決の結果、建物の所有者が全面的に賠償責任を負うという判決が下った事例もあります。
この事例のように、事故の責任はマンションの所有者が負うことになりますので、外壁タイルの落下防止策工事は定期的に行う必要があります。
なぜ、外壁タイルは落下する?
タイルがはがれて落下するのは、コンクリート、張りモルタル、タイルが膨張・収縮を繰り返してしまうためです。
各部材の伸縮量の違いによって隙間が生じてしまい、そこに雨水が侵入し、太陽によって温められたり、冷めることにより、膨張収縮を繰り返しタイルが浮いてしまうのです。
また、その他にも経年劣化、新築時の施工不良、、地震、凍結・融解、鉄筋のかぶり厚さ不足が挙げられます。
詳しく知りたい方は、こちらの記事の中でタイル落下の原因について記載していますので、よろしければご覧ください。
※建築基準法によってマンションなどの所有者は、定期的に有資格者により外壁タイルの状態を調査し、その結果を特定行政庁に報告する義務が生じる場合があります。
従来工法のメリット・デメリット
タイル部分張替え工法
浮き、割れ、剝がれ箇所のタイルを張替える工法です。
メリットは、浮き・割れが生じたタイルを剝がすため、下地の状態を確認でき、適切に補修することができる点です。また、既存タイルの意匠を生かすことができます。
デメリットは、部分補修につき他のタイルは劣化することと、張替えタイルと既存タイルの意匠が変わってしまうことです。
脳天打ち工法
浮き・割れ・剥がれ箇所のタイルをアンカーピンとエポキシ樹脂で固定する工法です。
メリットは、既存タイルの意匠を生かせる点です。
デメリットは、直貼り下地の場合、残存離型剤を除去できないためエポキシ樹脂の接着効果が限定的なことや、モザイクタイルの場合、施工枚数が多くなり不経済である点です。また、部分補修につき他のタイルは経年で劣化します。
外壁複合改修工法
アンカーピンでタイルを固定しネットと透明樹脂と積層することでタイルの落下を防止する工法です。
メリットは、既存タイルの意匠を生かすことができ、透明樹脂をタイル前面に塗装することで目地からの雨水侵入を防ぎ経年劣化を抑制できる点です。
デメリットは、工程数が多くコスト高であり、透明樹脂(トップコート)が経年劣化によって、劣化し意匠性が崩れるおそれがある点です。
KFタイルホールドの特徴
KFタイルホールドには以下の6つの特徴がありますので、1つずつ解説していきます。
- 強靭さ
- 防水性
- 長持ち
- 意匠復元
- 施工ミス防止対策
- 低価格・短工期
- 徹底した膜厚管理
強靭さ
KFタイルホールドは強靭で柔軟性に優れたポリウレア樹脂で、外壁の動きに追従するためタイルを落下させません。
防水性
KFタイルホールドは液状であり、複雑な形状の下地であっても塗るだけで防水塗膜を形成できます。
また、塗膜は緻密で柔軟性に優れており外壁からの雨水浸入を確実に防ぎます。
長持ち
KFタイルホールドは透明な塗膜であるため既存タイルの意匠を崩しません。
また、経年で著しい変色がなく長期に亘り外観を維持します。
意匠復元
KFタイルホールドは下塗を着色タイプとすることで色を付けることができます。
過去に外壁タイルの張替えによってできた補修跡が目立ちにくくなります。
施工ミス防止対策
KFタイルホールドは1成分形のため、2成分形のように計量・混合作業が必要ありません。
このため硬化不良が無く施工ミスを防ぎます。
低価格・短工期
KFタイルホールド自体が高耐候性で強靭な物性であり、トップコートやネット貼付け工程を必要とせず3工程を実現します。
施工の流れは以下の通りです。
- 外壁タイル補修
- 目地処理
- 外壁タイル洗浄
- KFタイルホールド下塗り(1工程)
- KFタイルホールド塗布1回目(2工程)
- KFタイルホールド塗布2回目(3工程)
- 完成検査
また、コスト削減により修繕費を抑えます。
徹底した膜厚管理
KFタイルホールド工法は塗膜を0.2~0.3mmの厚みとすることで外壁タイルの剥落を防ぎます。
施工において規定通りの膜厚に塗布することが極めて重要であり、施工中・施工後の膜厚管理を徹底しています。
膜厚は施工面積当たりのKFタイルホールドの使用量で管理されます。
また、適宜ウェットゲージを用いて膜厚を確認します。最終的には膜厚管理マーカー上の塗膜を電磁 膜厚計で測定し膜厚が確保されていることを確認します。
以下の動画を見るとKFタイルホールドの凄さがよく理解できます。コンクリートを後ろから押し出し、タイルの剝落を検査していますが、強靭で柔軟なKFタイルホールドによってタイルの落下が防がれています。
ロープアクセスでKFタイルホールドを施工するメリット
KFタイルホールドは工業会に入らないとまず使用できない材料です。
そして講習を受けた有資格者のみが施工できます。
弊社はロープアクセス会社として国内で最も資格者が多い施工会社になります。
足場を組まずに施工できるので、大幅なコストダウンを実現可能です。環境によっては足場をお勧めすることもありますが、部分的に施工する場合はロープアクセスが優位な領域です。
KFタイルホールドは防水と剥落防止を備えた塗料でしかも3工程というシンプルさが他には無い魅力です。
これまでの内容をまとめると、KFタイルホールドはタイルが剝がれて落下するのを防ぎ、現状の見た目を維持しつつ、強靭で柔軟かつ高耐候性を短工期で実現できる優れた工法です。
また、部分補修であれば、ロープアクセスとの相性は抜群なため、スピード感をもって施工することができます。
タイルの補修方法で悩まれている方は、KFタイルホールド工法を検討してみてはいかがでしょうか?