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台湾訪問はとても良い経験となった。三日間の内容を記しておく。

2025年4月23日~25日

東京GCAの三回目となる台湾訪問に同行させてもらった。

協会の台湾訪問はギアメーカーのTOWA社が台湾での販売活動をしている中で声をかけたことが事の始まりと聞いた。

日台交流によるガラスクリーニング業界の発展に寄与する素晴らしい取り組みである。

そんな噂を聞きつけ、今年は私も東京GCAの会員になったことだし、ぜひ参加させてほしいとお願いしたところ、受け入れてもらえたというわけだ。

さて今回のメンバーは、

 

左奥から、東京GCA会長の(株)大淀の佐元さん、理事の(株)マイスターアソシエイツ佐藤さん、会員の私上田、理事の(株)ソリトン栫さん、手前は会員の(株)マイスターアソシエイツ中島さん、

そして、副会長の(株)ten中原さん(右手前)

昨年、私を東京GCAに勧誘してくれたのがこの中原さん。本当に感謝している。

なぜビルメンではない当社が誘われたのかというと、当社が中心に広がっているRWC、ロープワーカーズコミュニティーのような要素が東京GCAにも必要と思われたからだと思う。

東京GCAも業界発展のために常に模索している。現理事の方々とお会いしその思いを聞いたときに私にできることがあるなら力になりたいと思った。そして、厚労省との関係やこのような台湾交流を築いてこれたのは東京GCAの実績であり実力だ。そこから私も学びたいと思い入会することにした。

話は今回の台湾訪問に戻そう。

参加することは決まったものの、出発二週間前になっても行程なるものが連絡ないので聞いてみると、毎回そんなものは用意していないとのこと。それだと自分が行程を把握しづらいので、簡易的な行程表を作り、グループラインも作らせてもらった。結果的は喜ばれたので良かった。

さて、出発当日6:00に羽田空港第3ターミナルに集合。無事に出国し搭乗した。台北松山空港までは約3時間半。自分自身海外へ行くのは15年ぶりなので楽しみである。昨年くらいから海外視察を検討していたのでようやく目標達成といった感じだ。台北に着き両替を済ましてまずはホテルへ。

初日は台北のガラスクリーニング協会が開催するガラスクリーニング選手権の見学。これは台湾の方が日本のその大会を見て感銘を受け台湾国内でも開催をするようになり今回で第五回目となる。

台湾が親日なのは周知のとおりで、その理由は日本統治時代に日本が台湾のインフラ整備や経済成長に貢献したとされているが、意外と日本人はそれを知らない気がする。日本の戦争時代を肯定するような情報だからかもしれない。私自身、台湾を20年以上前に訪れたことがあり、その時は台湾最高峰の玉山登山が目的であったがその時に台湾の親日感情を知った。ちなみに日本軍が真珠湾攻撃の開戦に使用した暗号、「新高山登れ」の新高山は台湾の玉山のことで、玉山の標高は3952m、日本統治時代、日本一の山は富士山ではなく玉山だったことになる。

おっと、また話を戻す。

大会は日本の大会と同じルールで行われる。台北のガラスクリーニング業者は日本ほど多くないと聞いた。

台湾人口約2342万人、台北人口は約250万人。当然市場は小さい。大会に対する選手の熱量や技術に関しても日本ほど高くはない。

どちらかというとイベントを楽しんでいるような様子だった。技術について言うと、台湾のガラス清掃は日本と大きく異なる。

スクイジーをあまり使用せず、ホースで水を流しながらシャンプーでこすり洗い流す、というやり方を基本とする。それは高所でも同じく、それを翌日街の中で現実に見て驚愕するのである。

日常的にスクイジーを使用しないので大会の選手たちもぎこちない動きである。9年前くらいに当社にも台湾人が在籍していたことがある。オーストラリアからやってきたのだが彼もまたおおらかな仕事っぷりで、細かいことは気にしない海外の仕事の話を聞いたときに驚いたものである。

それぞれの国の風土に合ったものだから優劣は無いが、私個人的には日本人の第三者に対する細やかな配慮は嫌いではない。

さて本大会は、予選に20人くらいが出場し、上位3名で決勝を行った。去年も優勝した選手が二連覇を飾り、会場も大いに盛り上がっった。

最後、協会の理事たちが集合写真を撮るときに日本を代表して佐元会長が出た。あの海賊王ルフィのコスプレが還暦を迎えたようにしか見えないのは可笑しかった。

その夜は協会理事同士の食事会に招待して頂き、おいしい中華料理に舌鼓を打った。北京ダックは絶品だった。台湾の方はお酒が好きだ。飲み方もなかなか激しい。もちろん我々を歓迎してくれているからこそのおもてなしであるからどんどん酒を勧めてくる。こちらもノリが良すぎると危険だ。お互いに飲みすぎてしまう。なんせお酒自体が強い。ガンガン乾杯する高粱酒は50度以上ある。私はノリが悪いので助かったが、ノリの良い理事が日本にもいて、乾杯を引き受けた挙句に途中から記憶を飛ばしてしまったらしく、この後の夜市に行く途中で大変なことになり、日本隊はあえなくホテルへ撤収となった。初日からなかなかの盛り上がりであるが、あと二日間何も無いことを祈るばかりだ。

二日目。

予定としては午後から台北市ガラスクリーニング協会の総会に参加する。午前はフリータイムということで日本隊一同は台北市内のパトロールに出かけることにした。都内でも東京GCA会員の現場や偶然見かけたロープ作業現場に突撃パトロールを行っている方々である。まさか台北市で誰に頼まれるわけでもなくパトロールをするのだから勤勉な日本人は大したものだ。ビルを見上げながらホテルオークラまでを往復する。片道50分くらいだろうか。なぜホテルオークラかというと佐元会長がそこでパイナップルケーキを買いたいからである。どうやら限定の旨いやつがあるらしい。それなら俺も俺もと一同が集まり散歩がてらパトロールとなったわけで、やはり勤勉というよりは食いしん坊な日本人という方が正しい。

ビルを見ながら歩いているとなかなか興味深い。タイルの壁はあちこち剥落していて少し恐ろしく、それを補修している形跡もあまりなく、そもそも外壁修繕という概念があるのかどうかも分からない。しかしSNSでは台湾のロープワーカーが外壁補修をしているのを見るわけだからないことはないはずである。そして気づくのは壁掛けの室外機の多さだ。エアコンの室外機は日本では屋上かベランダに置くことが多いが、こちらは壁掛けが主流のようだ。冷媒管を延ばさなくても良いので合理的ではあるが景観が損なわれる。しかし気になるのはあれらの工事をどう行っているのか、それこそロープが最善と考えてしまう。これはロープの需要があるぞ、とギラギラしてしまうのは職業柄仕方あるまい。

若い頃は山を目的に海外はよく行ったものだがここまで建物を見て歩いたことはなくだいぶ視点が変わったものだ。

そうこうしてる内にゴンドラでガラス清掃している業者を見つけた。前日の大会にも出ていた会社だ。台北ではガラス清掃はゴンドラでやる方が多いらしい。常設のゴンドラはほぼないらしく仮設のゴンドラである。自社でゴンドラを持っている会社もあるとか。洗い方はまさに聞いていた通りでスクイジーは使用せずに豪快に水を流しながらシャンプーでこすって洗い流す。当然水は飛散するわけで見ていてヒヤヒヤするが本人達は全くに気にせずに作業をしている。歩道に飛んでいく水を歩行者が避けてくれるといった構図だ。まさかという光景。あとでロープワーカーも見つけたが同じやり方である。ちょっと水がかかっただけでクレームを言う日本人っていったい何なんだろうとしばし考え込んでしまう。国民性だから考えても仕方ないのだが、結局我々日本人の仕事のクオリティーは日本にしか需要がないのかもしれないとショックを受けながら歩いているうちにホテルオークラに到着。俺も俺もとパイナップルケーキを買い込み、帰りは歩く気力もなくタクシーでホテルへ戻った。

作業者の方々はフレンドリーで仕事の途中にもかかわらず写真に対応してくださり感謝している。とても貴重なものを見せていただいた。

午後は今回の一番の目的でもある台北市ガラスクリーニング協会の総会に出席する。

この総会の豪華さに驚いた。まず会場が派手だ。結婚披露宴ですか?ってくらい。しっかりしたステージがありそこでショーも行われる。ここで個人的に一番感銘を受けたことがある。今回台湾訪問で私が一番感動したことは台湾人のアットホームさである。ステージでショーを行ったのは協会会員の子供たちだ。ダンスや演奏や歌を披露してくれた。なんともあたたかい。なんだこれは。会場を改めて見回すと家族だらけじゃないか。台湾には仕事と家庭の境界線が無いのか。違う、一緒なんだ。仕事も家族も会社の中で一つになっている。中華圏はコミュニティーを大切にすると聞いたことがあり、ああこれかと思った。

日本はどうだろう。仕事と家庭に一線を引くことが多い。比べることが愚問であるが、感動してしまったからこれをなんとか自分の中にプラス転換したい。この気持ちを日本に持ち帰りまずは自社で何ができるか考えていきたい。当社はそれなりにやってきたつもりだったかが比じゃない。自分にとってはとても良い発見でありこれからの課題を持たせてもらえたと思う。

総会は理事の選任投票があったり、いろんな方の挨拶があったりしたが、当然何を言ってるか分からないので、周りの空気を読みながら拍手をしたり写真を撮ったりしていたのだが、総会の全体を通して感じるのはみんなでこの良き日をお祝いしましょうという祝福の雰囲気だ。お酒を飲んで食事をして子供たちのショーを見て祝福の挨拶をそれぞれが行う。この会場、この祝福、素晴らしい総会だったと思う。

日本だと協会の総会というと少し硬いイメージがある。支出の報告だったり、議決の話だったり、形式的にやっていることが多いように思う。もっと楽しくてもいいかもしれない。祝福パーティにしてしまうのもありなんだ、と素直に影響を受けた。総会の後に前日行けなかった屋台で飲むこともでき、二日目の夜は静かに楽しむことができた。ローカルな台湾ラーメンもうまかった。翌日は最終日だがこの旅で一番楽しみにしているロープ会社の訪問だ。

 

三日目。最終日。

出発前に佐元会長に聞いたらこの日はもともとノープランだった。おそらく観光用の一日だったのだろう。私は台湾に知り合いがいてXRAというロープ会社の社長のジェレミーだ。彼とは約9年前日本で出会った。その当時当社にいた台湾人チャーリーのおかげだ。ジェレミーが日本に旅行に来た際に引き合わせてくれた。それから会うことはなかったのだが昨年ジェレミーが当社を訪問してくれたのだ。会社見学や現場見学を案内させていただいた。特に現場見学では塗装現場において仮設された飛散防止のメッシュシートに驚いていた。台湾ではこのような安全対策は見たことが無いと言った。第三者に対してである。ガラスクリーニングもしかりだが、台湾には無いものにジェレミーは感動していた。そんなこともあり今回の台湾訪問では私がジェレミーの会社を訪問させてもらおうとアポを取っておいたのである。せっかくなので理事の皆さんもご一緒に行きませんか?という誘いに俺も俺もと全員がついてくることになったのである。

さてその場所が台北市の南にある桃園市で車で1時間以上かかる。交通機関は誰も把握していないのでタクシーを1日チャーターすることにした。アポは午後から。ならば午前はなにか一つくらい観光でもということでお寺でも行きません?となった。これも私の提案で私が行きたかっただけなのだが特に皆さん行く宛てもないので素直についてきてくれて非常に助かる。

お寺に関してはその道に詳しい方に事前に聞いておいた。これも台北の協会の方で前日総会の時に何やら神様の話をしていたのできっと詳しいだろうと思い良いお寺ないですか?と聞いたところ、それならここへお行きなさい、御心のままに、といった感じで教えてくれたのだ。実際行ってみるとこれがまた良いお寺で、ずっと鳥肌が立つような清浄な空気。お参りの仕方が分からず困っていると受付の女性が見かねて、ハイ君達、ここでお線香買って順番に1.2.3.4.5と回ってお線香刺して、次はこのエレベーター乗って上のお堂へ行ってハイお参り完了って感じでテキパキと親切に案内をしてくれた。気持ちが一番だが作法はやはり大事。教えてもらえてとても助かった。しかし本当に良いお寺だった。

桃園市壽山巖觀音寺。台湾に行く機会あればぜひお勧めしたい。

さて目的の地へと向かうがお腹もすいてきたのでお昼ごはんにしたい。どこで食べるか。こんな時に知り合いがいると本当に助かる。ジェレミーに聞いたらお店の予約までしてくれた。どの土地へ行ってもそこに知り合いがいるのは頼りになりありがたいことだ。

用意されたレストランに入り食事も人数分お任せでお願いしたらおいしいお料理が円卓に並ぶではありませんか。なんかノリでいってますけどこんなの日本で人数分お任せで!って言ったら、はいよ!って引き受けるお店あんのかなと。台湾は旅しやすいなと感じているが、迷惑な日本人だなと思われているだけかもしれない。それはさておきまずはビールで乾杯。

そのレストランにジェレミーがわざわざ迎えに来てくれた。なんて良い人や。そしてなんと食事代まで払ってくれたのだ。このおもてなし忘れてはなるまいと心に誓いXRA へ向かう。

この日はCRAAのトレーニングの日。CRAAとは台湾のロープ団体の代表的な一つ。台湾には7つのロープ団体があるらしい。どれも国の認定を受けていて資格を発行しているようだ。台湾はロープの法令や資格が日本よりも発展していると想定していて、実際はその通りではあるが国の認定を受けるのはそれほど難しくないようで団体によって質の差はあるような気がした。その中でもCRAAは信頼できると感じる。それはこのXRA社がIRATAのOTカンパニーだからだ。オペレーションとトレーニングの認定を受けている会社は日本にも少ない。1社あるかないか。XRAのレベルの高さが分かる。このトレーニング施設も素晴らしい。台湾でもトップクラスと思われる。風車のナセルやタワーを想定したレスキューも行える構造になっている。

会場にはCRAA会長の王さんも来てくれた。前日の総会の時に今日の訪問を伝えことで駆けつけてくれたのだ。本当にありがたい。施設とトレーニングを拝見し、台湾のロープ業界の話を伺うことも出来た。ジェレミーが通訳の方を呼んでくれたのも助かった。帰り際にはお土産も用意してくれていて、会社のTシャツもプレゼントしてくれて、これはなかばおねだりした形だが、とにかく終始あたたかくもてなしてくれた。もう感謝しかない。おかげで素晴らしい体験となった。

そしてすべての目的を果たし我々は空港へ向かった。大きなトラブルもなく無事に出国、飛行機は追い風に乗り快速で羽田へと戻ってきた。三日間という短い日程にしてはとても充実した内容だった。

昨年東京GCAが日本で開催したロープアクセスコンテストについても台湾の方々は興味津々で次回は見学に来るそうで、その次は台湾チームも参加したいという意気込み。ますます日台の国際交流は面白くなりそうだ。

私自身台湾に行ったことでまた一つ違う視点を持てたと思う。今後も積極的に海外視察を行っていきたいと思う。15年ぶりに海外へ行ってみて思うのはLINEって便利よなって、シンプルに。張り切って買った通信料12ギガは3ギガしか使わなかったのは次への教訓。

最後にこの貴重な体験も会社のみんなや家族の理解と支えがあってこそ。

心から感謝したい。

 

上田雅人

 

日本一のロープアクセス工事会社を目指しコツコツ挑戦中

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