外壁を補修したときに、大規模修繕の後アンカー跡の補修し忘れに気づいてしまったことはないでしょうか?
今回は、仮設足場を解体した後に残ってしまうアンカー跡について、補修方法や補修作業にロープアクセスが最適である理由をご紹介いたします。
アンカー跡とは
アンカー(正式名称 アンカーボルト)とは、木材や鋼材といった構造部材や足場などを固定するために、コンクリートに埋め込んで使用するボルトです。足場の固定に用いる「壁つなぎ」という部品を補助する役割を担います。アンカーを用いるとき、外壁に穴をあけてしまいますが、それがアンカー跡と呼ばれます。アンカー跡は、建築強度や意匠性(見た目の美しさ)の観点から、工事後に補修する必要があります。
アンカー跡の補修方法
コンクリートのアンカー跡の補修方法
アンカー跡は足場繋ぎ用下穴処理ビスを利用すると、簡単に下穴をシーリング処理できるのですが、意匠性の点で十分とは言えません。
アンカー跡の穴の深さは人差し指ほどあり、その部分にコーキング剤(シーリング材)を穴に充填させて埋めます。その後に、さまざまな色を混ぜ合わせてつくったタッチアップ剤で、色目を合わせていきます。
タイルのアンカー跡の補修方法
タイル貼りの外壁の穴(アンカー跡)に関しては、足場解体と同じタイミングでタッチアップで埋めていきます。上層部分に関しては、後々タイルを張る必要があるため、作業が遅いと足場屋さんの解体が進められないことがあるため、手早くタッチアップ作業を行います。
建物下層階部分のタッチアップに関しても、作業時間を短縮するため、そして、解体中の下層階足場は不安定であるため、足場をすべて撤去した後に、スライダーをかけて作業を進めます。タイルに貼り付け用のモルタルを貼って、上からタイルを貼り付けます。最後に、目地材料をタイルの上から塗りつけ、はみ出た目地は拭き取ってから、タイル用のコーティング剤で拭きあげて、綺麗に仕上げます。
アンカー跡の補修を忘れ・手直しの解決策
マンションの高層階の場合
マンション高層階の大規模修繕のアンカー跡補修を忘れたり、手直しが必要になった場合は、足場を再度組みなおす・ゴンドラを使う・ロープアクセスを使うことで、補修を行います。以下では、それぞれの手段を用いた具体的な工法について解説いたします。
再び足場を組む
仮設足場の中でも、枠組足場はよく使われる足場の一つです。特に部材の強度が高く、耐久性に優れるため、安全性の高さに繋がります。また、作業スペースを取りやすく、細部にこだわって作業が可能で、組み立てにハンバーを使わずにボルトやビンを使用して、騒音を出しにくいといったメリットもあります。
一方で、足場を再度設置するとなると、多額の費用がかかります。また足場の設置から解体には1日〜2日ほど時間がかかる点もデメリットです。
ゴンドラ
ゴンドラ工法は、屋上からワイヤロープで吊り下げた仮設足場を電動で昇降させて作業する工法です。工事中の居住環境に配慮しながら、安全・効率作業を両立でき、1階周辺に養生ネットを張るため、落下物などの影響を与えません。また、足場の設置が不要なため、その分の費用は浮き、設置に時間がかから無いことや足場よりも景観面や防犯面に優れるというメリットがあります。しかし、塗料が飛散する恐れがあり、足場よりは不安定なため仕上がりにムラができ、落下事故の危険性もはらんでいます。
ロープアクセス
ロープアクセスでは、仮設足場を設置せずにロープや装備機材を使用して作業を進めます。
そのため、アンカー跡の補修作業のような緊急的な補修や近くで目視を必要とする作業(点検、調査、診断)を行う際には有効です。
ロープアクセスを用いると、他の工法のような警備員の配置やコスト、設置の手間がなく、仮設足場のように場所も要しません。
他にも、足場と異なり、作業終了後の撤収時間をほとんど必要としないという点でも利点があります。
マンションの低層階の場合
高所作業車
マンションが低層であれば、高所作業車を免許保有者が運転し、作業員と器具や備品をのせながら作業場を昇降させます。ある程度駐車や作業のためのスペースの確保が必要になります。また、複数人の作業にも不向きです。
高層階のアンカー跡の補修にロープアクセスがおすすめな理由
前章では、マンションの上層部のような高所の作業を仮設足場やゴンドラ、ロープアクセス、高所作業車で行えることをご紹介しました。
この記事では、特に、ロープアクセスが高所の作業において最も優れている理由についてご紹介します。特に、以下の3点が掲げられます。
- 高さの制限が少ない。高所作業車では届かない場所に手が届く。
- どんな場所にもアプローチすることが可能。
- 足場、ゴンドラと比較して費用が最も安い。工期も短く済む。
まとめ
ここまで、足場解体後のアンカー跡の補修方法とアンカー補修忘れや手直しの解決策についてご紹介いたしました。
私たち4Uでは、工期もコストも安く済むロープアクセスの工法によって数多くの信頼を獲得してまいりました。特に、タイルのアンカー跡の補修に関しても、積極的にロープアクセスの工法を用いてきました。
ただ、タイルを落下させると危険な人通りの多い環境では、ロープアクセスが使えないケースもあります。そこで、私たち4Uでは、独自のセーフティバケット『受け取る君』を設置することで、今後も安全作業を実現可能にしています。
また、弊社のロープアクセスでの技術力には大きな自信があり、周辺地域や居住者に配慮しながら、コストも時間もかからない施工を実現させています。
アンカー跡の補修作業を効率的に行いたいとお悩みの方は、ぜひお気軽にご相談ください。